HUMAN

2016.08.26

きたみワッカマツリ仕掛け人!林徹


今年で第3回目を迎える北海道北見ファミリーランドにて行われる『きたみワッカマツリ(2015年の様子はコチラ)』。第1回目からその委員長を務める発起人、林徹(はやしとおる)さんに第3回きたみワッカマツリ開催直前に話を聞きました。

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——林さんは数年前東京から家族と一緒に北海道北見市に移住されたわけですが、そのきっかけはなんだったんですか

嫁の出身地でもあったのですが、結婚前から何度か北海道には遊びに来ていて、子供が産まれて子育てをするならここだなとずっと思っていました。結婚後、子供が生まれたのをきっかけに北見に移住してきました。

——実際に北海道に住んでみて、道東、オホーツク、北見の魅力はどんなものでしたか

北海道は本当に環境が良くて、食べ物もおいしい。これだけ魅力の溢れるところはなかなかないと思います。良いところも良いものもとても沢山あるので、それをもっと多くの人に知ってもらいたいなと思っています。

——そんな中できたみワッカマツリ(以下、ワッカマツリ)を始めた経緯とはどういったものだったのですか

先ほどと重複するのですが、これだけ環境が良くて、食べ物もおいしい。そして魅力的な人や面白いことや楽しいことも多いので、それらを一堂に会すことでさらに『北見』というワードが多方面に強く印象付けられるのではないかと思い、発案しました。その旨を周りの方に話したところ、本当に多くの人の共感とご協力をいただき、なんとか開催にこぎつけることが出来ました。

——ワッカマツリとはどういったお祭りなのでしょうか

北見の新しいお祭りという言葉をよく使うのですが、これはいわゆるフェスとも違うし、昔ながらのお祭りとも違う。新しいカタチのお祭りとして子供からお年寄りまで楽しんでもらえるものだと思っています。自然の中で北見のおいしいものや楽しいこと、面白いことを存分に楽しめて、なおかつ入場は無料。もっとたくさんの人に北見っていいところだよねって思ってもらえるものを目指しています。

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昨年のワッカマツリの様子 Photo by Ryo Yamamoto

——ワッカマツリの由来はどういったものなんですか

みんながワッカになるという意味と開催地の若松からとあとはアイヌ語でワッカは良い水という意味があるのですが、その良い水がみんなの中を循環するようにという思いも込めてワッカマツリに決めました。

——実際にやってみて良かったなと思えることと反対に辛かった・大変だったと思ったことを教えてもらえますか

大変だった点はこれは今もなんですが(笑)実行委員やボランティアの数が圧倒的に少ないということですね。それにより負担がすごくかかってしまう。あとは年々多くの企業様にスポンサーとしてご協力いただいているのですが、入場無料のイベントだけあって、予算が限られてしまうのが毎年の悩みの種です。そのため、実際に現場に入っていただく業者様にも赤字価格で施工していただいたり、多方面に無理を強いてしまうのが現状です。今後もっと大きなものになっていくためにはその部分を改善していかないと続けていくのも難しくなっていってしまいます。それには同じように北見を盛り上げたいという志をもった方が今よりもっと増えてくれればいいなと思います。特にそれは若い世代に期待したいですね。やっぱりこういうことはどんどん循環していかないとさらに良いものというものは生まれづらいと思います。是非とも今後、若い世代の方に実行委員やボランティアに積極的に参加して欲しいですね。最後に良かったなと思えたことは、やっぱり来てくれた人の笑顔や楽しかったと言ってもらえることです。来年も楽しみにしてるよって言っていただけるその瞬間が本当に一番の喜びですね(笑)あとはこのお祭りの準備を通して、色んな業種の方と知り合えることも魅力です。ワッカマツリは組織ではないので、縦割りも序列もない、みんな横並びなんです。その中で新たに生まれる繋がりもあるし、コミュニティもある。創る側もワッカになっていく感覚はかけがえのないものだと思います。

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ワッカマツリの準備は開催1週間前から実行委員とボランティアスタッフの手によって一から行われる

——林さん自身、お仕事の関係で現状、東京との行き来になってしまっていますが、その中で大変なことはありませんでしたか。

本当は自分も北見にずっと残って、ワッカマツリの準備に当たりたいのですが、なかなか難しい面がありまして。実行委員の方がとても精力的に動いてくださり、なんとか助かっています。大変なこともありますが、これからも続けていかなくてはいけないお祭りだと思うので、これからも頑張っていきたいです。

——今年のワッカマツリの見所はどんなところですか?

ワッカマツリはどのブース、どの催しに行ってもそれがメインと呼べるものです。それは担当してくれてる方が各々、その責任感と自負を持ってやっているからです。見所と言えば全部なんですけど、今年は特に新たに新設されたブースの道と虹、催しものでは株式会社グリーンズ北見様の全面協力によるもえのあずきさんの大食い大会やボルタリング、自衛隊、空手、お仕事体験やフリーマーケットなどが新たに加わっています。二日間では楽しみきれないほどたくさんのイベントがあるので、出来るだけたくさん、多くの人に楽しんでもらえたいですね。

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設営準備中の一コマ、Tシャツは今年もワッカマツリに出演が決まったTHE武田組のもの

——今後のワッカマツリの展望を聞かせてもらえますか

来場者数は初年度から右肩上がりです。とりあえずはこの先も新しいことを取り入れつつ、ずっと続いていて欲しいです。もっと多くの人に、取り分け、北見以外の人にどんどん認知されるようなものになればいいですね。個人的にも今年は10人くらい道外から友達が遊びに来てくれます。どんどん大きくなっていった先にもっと外の人を巻き込んでいきたいです。あとはいつまでも子供を連れていきたいと思えるお祭りであればいいなと思っています。今まで親世代から引き継いできたこの素晴らしい環境を僕たちはさらに子供達の世代にもっといい形で繋いでいかないといけないと思うんです。そのためにもこのワッカマツリが少しでもそういったことのきっかけになればとても嬉しいです。

——途中にも出てきましたが、林さんの現在のお仕事についても聞かせていただけますか

現在はポロワッカという自社で受け入れ、処理、管理、加工をしたエゾシカを主に、地元の食材をご紹介をさせて頂く仕事をしています。これもこちらに移住してきてからわかったことなんですが、エゾシカは害獣として扱われ、その被害額は年間56億円に上り、十数万等のエゾシカが駆除されています。エゾシカはそういった要因や食用で「クサい」「カタい」といったネガティブなイメージを持たれる方が少なくないかもしれません。実際弊社で扱っているエゾシカは信頼の置ける一流ハンターに適切に仕留めて頂き、手際よく処理したのちに熟成させることでとてもおいしいお肉になるのです。。一番おいしい状態でいただくことが命に対する感謝でもあるし、害獣として駆除されるはずだったエゾシカをおいしくいただけることは社会貢献にも繋がります。まさに三方良しという状態ですよね。

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熟成具合のチェックをする林さん

——今後ポロワッカについてはどういった展望をお持ちですか

現在鹿肉は17%しか食用になっていません。先ほど申したように、鹿肉がおいしくいただけるということはみんながハッピーになれる仕組みなんですね。今はジビエブームといわれ、鹿肉も様々な形で市場に出ています。もっとおいしくたくさんの人が口に出来るようになったらいいなと思います。現状、ハンターさんの境遇もとてもいいものとは言えません。駆除するにしてもそういったとても稀有なスキルを持ったハンターさんがいないことにはどうにもなりません。これからもっと鹿肉にスポットが当たることで境遇が変わったり、次代に繋いでいけます。鹿肉をもっと広めることは、周りの人を助け、自治体を助け、ひいては国を助けることにも繋がるです。そのために微力ながら自分にできることを精一杯頑張っていきたいと思います。それには今までもそうですが妻の、家族の助けがあったからなんとかやってこれました。それ以外にも仲間や友達の助けがあって、ポロワッカもワッカマツリも本当におかげさまです。まずは今年のわっかまつり、是非楽しみに遊びに来てください!

林徹(はやしとおる)

1974年生まれ、東京都出身。ポロワッカ代表、きたみワッカマツリ実行委員長。2012年、結婚・出産を機に東京都より奥様の故郷である北海道北見市に移住。その後、2014年に実行委員長として、第1回きたみワッカマツリが開催に尽力。2016年第3回目の開催を控える。自身は2014年に看護士から転職し、食肉処理業のポロワッカを立ち上げる。現在は東京都内を卸先の中心に自社精肉を流通させている。
イベント詳細につきましてはきたみワッカマツリFacebookページにて

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