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2016.04.09

こうすけのぽつりひとりごと

第三回 幸

 正月や感謝祭で親戚が集まり、いつもより豪華な料理を囲みながら楽しく過ごす親戚の集まりという会合が昔から苦手である。親戚が談笑していてもなんだか所在がなく悲しくなってくる性分なのだ。親戚から漂う「幸せ感」が自分にはなく羨ましくこそばゆい。人生のテーマが幸せ探しならば僕はまだまだ旅半ばだ。
 
 その年の大晦日は例年より気温が高く終日ほぼプラス数度という珍しい日だった。
ちか(仮名)は大晦日ということで祖父母のいる岩見沢にいた。

 夕方ともなるとぞろぞろと親戚が集まってきた。ちか以外は全員岩見沢に住んでいるためしょっちゅう顔を合わせているので各々適当にビールをのんだりテレビを観たりして寛いでいる。ちかは一人地方から来ている。僕ならこの時点で貧血を起こしていそうなもんだが、ちかは持ち前の明るさで親戚一同から大人気だ。その中には年の近い従兄弟も数人いることもあり、ちかにとってとても居心地のいい会合となった。

 成人して初めて会う親戚のおじさんや同年代の従兄弟達と飲み交わす酒は本当に美味で気づくと除夜の鐘が今まさに鳴ろうとしていた。

 いくら大晦日とはいえ、てっぺんを回ると皆帰り支度を始めた。ちかも仏間に布団を敷いて寝る準備をしていたのだが従兄弟連中が初詣に行こうと言うのでその誘いに乗り参拝に出かけた。

 岩見沢市民の大多数が参拝しに行く神社(グリーンステージ)ではなく住宅街の中にひっそり佇む風情のある神社(アバロンステージ)に参拝に向かった。

 メインステージと比べ圧倒的に閑散としたアバロンステージ(境内)はクイックに参拝できるのであっという間に参拝が済んでしまったのでこれから従兄弟同士でカラオケでも行こうかと話し合ったのだが、このアバロンステージからフィールド・オブ・ヘブンステージ(歌屋)までのアクセスが悪いこともあるし、ここから従兄弟の一人のマンションまで徒歩圏内ということもあり、その従兄弟の部屋で飲みなおす運びとなった。

 従兄弟同士5人が集まり祖父母の家では話せなかったような男女問題や男女問題、果ては男女問題を酒片手に語りあった。
丑三つ時もすっかり過ぎたころ一人、また一人と眠くなり床の間でゴロンと雑魚寝の様相を呈してきた。宅飲みあるあるだ。
ちかは酒が強いせいと前日たっぷりと睡眠をとっていたせいもありまだまだ序の口だ。同じくまだまだ序の口の様子なのが同じ年の従兄弟の周平(仮名)。
ほかの三人はすでに酔いつぶれ寝てしまっていたのでサシ飲み、飲み比べが始まった。ワイン三本、いいちこ一本が空いた頃にはさすがの二人もそこそこの酩酊状態。ちかも床に横になりうとうとしてしまった。

 夢の中でピエール瀧がすごくスケベにちかをク◯ニしている。ちかは満足げに恍惚の表情をうかべ身悶えた。

 身悶えた。そして目が覚めた。目を疑った。周平にク◯ニされていた!
ちかは驚いて抵抗しようとしたのだが何せ周平のク◯ニがうまい!技巧派!いやいや、従兄弟だ!ダメだって!従兄弟だぞ!と言い聞かせるが心と体がセパレート!冷静と情熱の間。背徳の刻。禁忌の極右。いろいろな事が脳裏をよぎるが抵抗できないほどのアクメ感・・・当たり前のように挿入。当たり前のようにお掃除フェ◯。

 どうやらこの国の法律では従兄弟同士は近親相姦にはあたらないらしい。能天気な国だ。「従兄弟同士でもセックスオッケー!でも中出しはあんまオススメできないぜ!エンジョイセーフセックス!」というのがこの国の解釈だ。

 しかし、法が許しても法以外は許さないぜ実際!居酒屋でプチ盛り上がりはするがエピソードトーク終了後には若干みんな引くってば!
ちかに次その従兄弟と顔わ合わせたら気まずくないのかと聞いてみたところ、タバコをくゆわせながらこう言った。

「またしますよ。超うまいし。」と・・・

 ちかは道徳の彼岸に「ある種の幸せ」を見つけたのかもしれない。だとしたら何人もそれを否定することはできない。幸せの形は人それぞれだ。僕はやはり幸せ探しの旅半ばである。

こうすけのぽつりひとりごと

Kosuke Goto (inc cat tat2)

某フリーペーパーにて掲載されていた往年の名作コラムが1988にて復活!

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