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2016.04.11

MOVIE REVIEW


第七回 テーマ『子供に見せたい長編アニメ映画』

インサイド・ヘッド(2015年)

インサイド
監督:ピート・ドクター
声 :エイミー・ポーラー 他

〜ネクストレベルに到達したピクサーの最高傑作!〜

11歳の少女ライリーの脳内世界を舞台に感情ひとつひとつを具現化したキャラクターたちが、成長という普遍的なテーマをもとに物語を繰り広げていくピクサースタジオ製作の大大大傑作!アニメとはいえせっかく子供にみせてあげるならシンプルに分かりやすく楽しい作品であると同時に、少しでも大切な何かを得られるような作品をチョイスしてあげたいもんです。親になるとこんな感情も芽生えてくるんですね。僕の中に生まれたこんな感情さえも内包したような映画が本作なのです。…ということで僕の超簡単に掻い摘んだ感想をどうぞ〜。思春期のライリーとその頃の自分をダブらせ感情移入→親側の苦悩も理解でき感情移入→自分の息子とライリーをダブらせ泣→3次元から2次元になるやつ笑→ボンビンぐっじょぶ号泣→カナシミぐっじょぶ59→家族が絆を取り戻す。眼から失禁(眼のお漏らし)→人生万歳!人間万歳!!
物語世界に自分の実人生や子供の今や未来を重ね合わせながらみることで、改めて家族の大切さや生きることの素晴らしさを再確認させてくれるような、老若男女全方位対応型な文句ナシの作品でした!

シュガー・ラッシュ(2013年)

シュガー
監督:リッチ・ムーア
声:ジョン・C・ライリー サラ・シルバーマン 他

〜ゲームの敵キャラたちにも愛と自由を!〜

今回紹介した5作品のうち本作を含め3作品がディズニー/ピクサー絡みっつう、なんたる占拠率。(※2006年にピクサースタジオはウォルトディズニーカンパニーの完全子会社となっております。)そんなメジャーなもんばっかみてないでもっと違うの選びなさいよ、ってね。でもしょーがないんですちゃんと面白いんだから。メジャーだからと言って単なる商業主義に走るのではなく、世界最高峰のクリエイティブな精鋭たちが頭良いからって頭デッカチにならずに、アニメという無限の可能性に心底魅力され続けているからこそ、今の成功があるんじゃないかと思います。あら、全然シュガーラッシュ本編のこと書くスペースなさそ。まぁそんな時もありますよね。カラフルでポップなゲーム内世界はお子様たちみんな大好きだと思うんで、すんなりがっちりハマってくれると思います。「いじめダメ絶対!」ってメッセージも込められた作品なので教材としても最適かと。

ヒックとドラゴン(2010年)

ドラゴン
監督:クリス・サンダース ディーン・デュボア
声 :ジェイ・バルシェル ジェラルド・バトラー 他

〜アニメ映画史に残る正統派ファンタジー作品〜

バイキングの少年ヒックと傷付いたドラゴン”トゥース”の出会いと友情を描いたドリームワークス製作のファンタジー3Dアニメ。ドリームワークスとしては珍しく毒っ気たっぷりのパロディーは封印し、正攻法な演出と脚本でストーリーをテリングしています。あの悪趣味なシンプソンズ的笑いも大好きなんすけどね。児童文学が原作なのであえてやらなかったぽいです。「持たざる者」としての創意工夫でトゥースとの信頼関係を築き、成長していくヒックの姿にグッときます。初めてヒックとトゥースが渾然一体となり飛行するシーンは、アニメーションという手法だからこそ表現出来た見事なライド感&多幸感だと思います。ヒックの成長を描くとともに、親であるストイックの父としての成長も描かれている為、父と子の物語としても味わい深い作品となっています。続編の「ヒックとドラゴン2」も申し分ない完成度で、真っ当な続きモノとなっております。お子さんといっしょに2本立てでみると最高に良い時間が過ごせると思います。

ボルト(2009年)

ボルト
監督:バイロン・ハワード クリス・ウィリアムズ 他
声 :マイリー・サイラス ジョン・トラボルタ 他

〜ディズニー映画史上最も犬を犬らしく描いた作品〜

ピクサーの最高責任者として多くの成功を収めていたジョン・ラセターが、ディズニーのチーフクリエイティブオフィサー就任後、長編アニメ第1弾として製作総指揮を務めた本作。低迷期にあったディズニー映画の復活を予感させた起死回生のワンちゃん映画です。冒頭繰り広げられる映画内映画でのマイケル・ベイLIKEなド派手アクションシーンが無駄にクオリティ高くて笑えます。この映画、あくまで犬は犬らしく猫は猫らしく鳩は鳩らしく描いているので、ディテールの仕草なんかが現実的過ぎていちいち笑わせてきます。自分をスーパーなドッグだと思い込んでいる主人公(主犬公?)のボルトが本当の自分は何者なのかを知ってしまうシーンは、トイストーリーのバズを連想させ相当切ないです。バズのほうがよっぽど悲惨でしたが…。スーパーじゃなくとも犬が犬らしく懸命に愛する飼い主を助けるってラストは、なんともオトナな着地の仕方でとっても品がある映画だなぁと思いました。(ネタばれ)

アイアン・ジャイアント(2000年)

アイアン
監督:ブラッド・バード
声 :ヴィン・ディーゼル ジェニファー・アニストン 他

〜なりたい自分になればいい!〜

小さな町に突如現れた謎のロボットと好奇心旺盛な少年の心の交流を描いた、子供も大人も楽しめるノスタルジックなアニメ映画。1960年代風な絵の質感がとても好き。ロボのデザインが古臭く地味でお世辞にもカッコイイとは言えないけど、好戦的になった時に魅せるオプティマスプライムばりのトランスフォームが最高にイカす!いきなりの兵器感がすっげーです。殺戮兵器として生まれてしまったロボが、スーパーマンみたいなヒーローになりたいって夢を叶える終盤の展開のカタルシスは素敵に半端ない!グッとくる伏線回収もあったりでとってもいい映画だなぁと感心しちゃいます。あと、主人公の少年ホーカーズがカフェインでハイになりスーパーな早口で喋り倒すシーンとか最高です。そこだけ5回くらい巻き戻してみていただきたい。

ALI
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●ボルト

ALIの映画駄話ティティツイスターで会いましょう。

ALI

北見市4条狸小路にあるクラブUNDERSTANDにて10年以上に渡りDJとして活動する傍ら,自他ともに認める映画馬鹿でもある。奇数月第2土曜日に開催されているパーティー、『SOUL TRAVEL』にてレギュラーDJとして活動中。ALIがテーマに沿ってピックアップした5本を紹介!

※MAGAZINE 1988 vol.8掲載

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