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2016.04.09

あーくんの若者でもわかる経営学


第六回 議論をまとめる技術

 今回は、会議等で議論をまとめていく技術について説明します。

 まず、会議はその趣旨によって色々なタイプのものがあります。例えば、事前に議論されているものを承認する会議、自由に意見を交わし合う会議、問題に対し、何かしらの方法を決める会議、等、ケースによって様々ですが、意外と多い問題は「正しい趣旨を認識できていない」事です。
 
 まず始めに確認しておきたい事は、そもそも会議の結果が、一連のプロジェクトやプロセスの中で適切かという事。実は、会議が終わってみて、議論した事があまり活かされないことや、話がどうどうめぐりになって、結局降り出しに戻るようなことは少なくありません。まず、会議を設定する前に、その会議で得られる結果が、今必要なものなのかを考えましょう。何らかの意思決定を行う会議における仮説検証を考えた場合、基本的には、

目的→論点→仮説→検証→示唆

という流れがあり、提案を行っていく上では、まずは会議の目的、議論のポイント、自分なりの答えである仮説、裏付ける検証、それらから読み取った示唆、の工程で意思決定を行う。

また、問題解決を考えた場合は、

現状→あるべき姿→解決策

という流れがあります。

会議を行う際、基本的な流れを守らないと、堂々巡りの議論になってしまい、無駄な時間を費やしてしまうことになります。地域活性化でよくあるシチュエーションとして、例えば、地域活性化を実現するために、何をどのようにやろうか、という議論を始め、道の駅を作ろう、とか、直売所をやろう、とかいう議論に花が咲くとがよくあります。

しかし、ひとしきりやりたい事が出し尽くしたところで、施策の規模や細かい取組内容が全くまとまらない。

突き詰めてみると、そもそもの「現状はこうで、あるべき姿はこう」という議論が全く詰まっていなかったり、活性化という言葉の中で、何をどのようにするのか、という目的設定が詰まっておらず論点も絞れない中で、仮説について議論してしまう。

実際、行き詰まった議論の中で「それでは、この地域の活性化とは一体どういう事なのでしょう」という問を投げかけると、全く答えが返ってこず、やっとでてきた答えは「にぎわいをつくりたい」というものであるものの「なぜ、にぎわいをつくりたいのですか?」と聞くと、答えが出ない。

このように、目的が明確になっていない事に気づかず、活性化という言葉に振り回され、全く結論が出ないことがあります。

さらに細かく考えると、活性化を問題解決のゴールとするなら、住民は何に困っていて、どうしたいのか、や、今こういう環境だけど、将来はこういうまちにしたい、等、現状とあるべき姿の議論が必要であるにもかかわらず、いきなり解決策について議論しはじめてしまう。

問題がはっきりしていないのに、解決策をいくら議論しても、話はまとまりません。

地域活性化の事例について例をあげましたが、その他にもこういう事は実はよくある事で、地域によくあるのは「新しいイベントをやろう!」とみんな集まり、こういう企画は

どうか、あれは、これは、とひとしきり花が咲く。で、じゃあ、何をやろうか、となったときに、いっこうに話がまとまらない。このような事は、人ごとの様で人ごとではなくて大変現実的な話だし、ほとんどの人が意思決定のプロセスを正しく実現できていません。

会議をするときはまず、「目的の明確化」をするため、目的に対し「なぜ、そうなの?」と「だから、なんなの?」を徹底的に考えましょう。
それが納得のいくものであれば、その後の方法論はものすごくまとまりやすくなります。

みんなも、十分に気をつけて、集団の意思決定を行っていきましょう。

おわり

あーくんの若者でもわかる経営学

あーくん

西野創研・株式会社Rogical 代表
1982生まれ、北見市出身。大学卒業後、都内証券会社に勤務。在職中にMBAを取得し、2014年帰郷。(株)Rogcalを設立。現在に至る。

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