HUMAN

2016.12.13

ドローン業界国内最大手の軌跡と未来!久保直人


ドローンと呼ばれる無人航空機が身近になった昨今。今回は道東においてドローン市場で圧倒的シェアを誇る中国深セン、DJI社の日本正規代理店、株式会社AIR STAGEの代表取締役社長久保直人さんにお話を聞くことが出来ました。奇しくもDJI社、AIR STAGE社はともに今年で創業10年を迎える。昨今の業界の過熱ぶりから、ものすごいはやさで成長する同社との関係性やドローンの未来を久保さんの半生を交えながら聞きました。

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――まずは簡単な経歴を教えていただけますか

北海道の弟子屈町で生まれ、高校まで弟子屈で育ちました。その後、地元から離れ、働きながら行ける学校に進学したいと思い、静岡県浜松市にある短大へ進学しました。卒業後は弟子屈町役場の臨時職員として就職したのですが、在籍中に今度は作業療法士の勉強をしたくなって、もう一度受験をして専門学校に入りました。

――今とはまたまったく違う進路に進まれたんですね

そうですね。自分としてはダメだった時の保険というか、手に職をつけておきたかったんですね。というのも、そもそも私は学生時代から将来的には起業をしたいと考えていました。当時は久保プロダクションとか久保エンタープライズと名乗って友達と遊んでましたね(笑)

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――それはどういったものだったんですか

コマ撮りしたものに音楽をいれてビデオ制作をしてみたり、仲間内で購入者を募ってスピードくじをしてる程度のものだったんですが、当時はもちろん機材なんて今ほど整っていなかったので工夫に工夫を重ねて一本を仕上げたり、スピードくじも一等の賞品は何を買って、それ以外の景品は何を調達してとか、どれだけの人に買ってもらえば利益が出るのかとかそんなことを真剣に考えていましたね。それが中学生のときだったので、そのときから商売の基本みたいなものを勉強できていたのかもしれません。

――作業療法士時代はどうでしたか

まずは学校に入るところからなんですが、自分は高校を卒業して専門学校に行った後にまた学校に行かせてもらったわけですから、親にもすごく後ろめたい気持ちもあってめちゃくちゃ勉強しましたね。その甲斐あってか主席でした。就職してからは覚えた知識を生かせるのがすごく楽しかった。現場で起こることに自分の知識や経験で対処できるというのがおもしろかったですね。一年が経った頃、現場でのそういった楽しみを感じつつも自分としてはもっともっと色んなことをやりたいと思うようになっていきました。勤務地が釧路だったのですが、そんな時に市内で病院が新設される話を聞いたんです。その時に自分もそこに何か携われないかと参加を熱望したりいろいろと根回しをしてたんですけど(笑)その甲斐あってか、人員も不足していたため、新設される病院の機能訓練室長に任命されるというチャンスが回ってきました。そこでは新設されるタイミングだったため、そもそもの立ち上げや仕組みづくり、お金の部分に至るまで多岐に渡る運営を任されました。その中で、やはり様々なことを学びましたし、当時の年齢ではなかなか任せてもらえないような重要な役目だったと思うので、そこで経験出来たことはすごく貴重でしたね。

――それこそ先ほどの久保エンタープライズの経験も・・・

運営面のどこかで活きていたかもしれませんね(笑)ただ、そのあとは医者になりたいと思ってまた勉強を始めるんです。

――え、また全然違う道に!(笑)

そうなんです。作業療法士としては現場で診断することは出来ません。自分の中に蓄積されてる知識や経験の中から、仮説を立てて患者さんに対して処置を施すということしか出来ないんですね。お医者さんにはもちろん「これ、違うじゃないですか、ぼくはこう思います」なんて言えないですよね、ただの越権ですから(笑)そんな中でそもそものところでどうなっているんだろうということに興味を持って、さらに今より違うスキルで違う役職をやってみたいなと思いました。

――それでも一朝一夕にいくものじゃないですよね。

もちろんそうです。仕事を続けながらだったので、とてもしんどかったですね。仕事も忙しかったし、その中に膨大な量の勉強をしなきゃいけなかったので。そんな時にたまたま実家に帰ったタイミングで気分転換がてら、昔自分が趣味にしていたラジコンヘリを引っ張り出してみたんです。久しぶりに触ったんですがこれがものすごく楽しくて。仕事や勉強でのストレスもあって、またラジコンヘリに傾倒していくにはそう時間はかからなかったですね。

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――ここでやっとラジコンヘリが登場するわけですね。

学生時代にかじってはいたんですけど、またここから買い始めるわけです。学生時代とは違って、自分のお金でラジコンヘリを買えるので、いろいろと買い漁るようになりました。これがおもしろくて、ラジコンヘリは海外からの輸入になるので、すべてやりとりは英語なんです。相手も買ってもらおうとしてるわけなんで、そこにコミュニケーションが生まれるわけですね。なので、自分の趣味のことをしながら医者の勉強に必要な英語も学べました。ビジネス英語も結局テンプレートがあるので、ビジネス上で必要になる英語はそこで学ぶことが出来ました。偶然でしたが、これもラッキーでしたね。そしてある時ラジヘリを一台ではなく同じものを二台買ってみたんです、試しに。オークションとかで出してみようかなあ、と軽い気持ちでした。売れなければ自分で使えばいいだけの話ですからね。それをオークションに出してみたところ、これが売れたわけですよ。

――最初から狙ってやっていたわけではなかったと

そうです、これまた偶然ですね。それからはラジコンヘリやパーツを仕入れて売るということを繰り返していました。そのうちにメーカーから代理店になってくれないかと打診があり、ダブルワークすることになりました。それが10年前、AIR STAGEを立ち上げたきっかけですね。

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最近発表されたDJI社史上最もコンパクトなフライングカメラ『Mavic pro』

――時を同じくして日本正規代理店を務めるDJI社も産声をあげているわけですよね。

DJI社は当時ジャイロ装置という機体の平行機能などを制御するパーツを作っていた会社だったんです。その精度は当時から並ぶところはなかったですね。ちょうど10年前くらいからリポバッテリーがかなり発達するという技術革新があったんですけど、リポバッテリーの発達によりかなり状況はラジコンヘリを取り巻く状況はガラッと変わりました。その後に業務用としてカメラを付けたヘリが登場するわけです。空撮というジャンルが出来たことで映像や写真の業界は対応せざる得なかったわけですから、その普及速度はとてつもなく早かったですね。そこで優秀なジャイロ装置の技術を持っていたDJI社がシェアを伸ばしていくわけです。DJI社とはDJIジャパンが創設される以前からの付き合いなので、国内でも1番目か2番目に古くから取引させてもらっています。DJIジャパン創設時もスタッフが研修に来てくれたり、立ち上げの際に技術面で最初だけサポートをさせてもらいました。その後、官邸に墜落した事件などでドローンの存在と呼び名が一気に広まりましたよね。それまではラジヘリだとかマルチコプターと呼ばれていたので。

――空撮という新ジャンルが確立され、ドローンだけではなくOSMO(高精度スタビライザー付4kカメラ)なども開発しているDJI社が台頭したことで従来のカメラメーカーを脅かすという構図も出来上がったかと思います。

DJI社のドローンは撮影の視点から作られているので、ソフトウェアにしてもとても使いやすいと思います。DJI社自身も無人飛行機にカメラが付いているという認識ではなく、フライングカメラといった呼び方をしています。

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2016年11月11日に開催されたAIR STAGE社主催のドローン講習会『10+2 DJI公式特別イベント』

――先日の講習会においても様々な業種の方がいらっしゃっていたのも印象的でした。

そうですね、あの日は撮影のためだけではなく、農家さんや測量士さん、不動産オーナーなどが来ていました。この日も飛ばしましたが、実際にもう農薬を散布する用のドローンは開発されています。あとは測量に使えたり、不動産の屋根の補修などに活用したいと言う方もいらっしゃいましたね。今後は物流にも絡んでくるかもしれないし、もっと普及すれば監視用などでも活用出来るかもしれません。AIやインターネットとなど今後の発展と使い方のアイディア次第ですが、新しい社会インフラになり得る画期的な発明だと思っています。その分、ここまでの発展もとてつもない早さで進んで行っているし、これからもそうだと思います。世界的に注目されている分野だけあって、そのスピード感はとてもエキサイティングです。めちゃくちゃ大変ではあるんですけどね(笑)そのスピードに合わせてこちらも学習しなければならないし、対応できるようになっていかないといけない。本当に毎日毎日追われている気分です。

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農薬散布用ドローン『Agras MG-1』

――1月には北海道帯広市に支店も出されるんですよね。

はい、1月17日に帯広駅南側のビル一棟を使ったフライトスペース完備EXPERIENCE SHOPをオープンします。DJI社製品を見ることが出来るショールームや製品販売、ドローン教習所や初心者講習会、資格取得講座や修理窓口など、あらゆることを盛り込んだスペースにするつもりです。EXPERIENCE SHOPとしては日本初の出店となるので、業界のリーダーメーカーの魅力を存分に体験していただけたらなと思っています。テレビCMや新聞のテレビ欄横に広告を掲載するなど、大規模なプロモーションも行っていきます。

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帯広EXPERIENCE SHOP完成イメージ図

――また新しいチャレンジが始まりますね。

本当にこの業界にいると日々、新しい情報が入ってきて否応にも勉強させられてます。最初の頃は電話の対応ですら難しくメール対応のみの期間すらありました。お客様からお問い合わせがあると5分以内にはメールを返信する等それでも追いつかないような毎日でした。ただ、おもしろいことに今までいろんな分野にいっていた自分でしたがこれまでの過去の経歴も今ちゃんと活きているんですよ。そもそもの経営の部分だったり、趣味だったラジヘリ、海外のお客様とも英語でやりとりしなきゃいけないですよね。作業療法士時代に培った知識も今の業務に役立っています。メインコントローラーは大脳だし、水平認知機能とするIMUというユニットは小脳と三半規管、GPSは目と考えて、実際にお客様の現物を目の前にして見ることは出来ないけど、お客様からのお問い合わせ内容から仮説を立てて、問題解決に向けて対応していくわけです。物販の部分のみで言えば資本力があれば誰でも売ることが出来ると思いますが、大衆向けの使い方以外でのトラブル事例や汎用ユニット等そういったアフターケアや修理の部分は経験と知識がないと対応が難しいことが非常に多いとおもいます。お客様からのお問い合わせに対して仮説思考をしながら対応していくわけです。ものすごいスピード感で成長していってる分野なので後出しの参入では厳しい。今後は業界自体は拡大する一方、その中でも淘汰が起きてくると思いますが、弊社が強みとしているのはその部分だと思っています。更なるサービス向上のために社内での勉強会も頻繁に行っています。今後も精進していきたいです。

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――久保さんの過去のお話を聞いてもポイントポイントでの圧倒的な努力の上に現状が成り立っているのかなと思いました。

そうかもしれないです。詰まるところ自分の作業の能率をあげれば解決できると思っているので(笑)あとは数秒の決断が人生を分けることがあるとも思っています。走り続けること、成長することでしか生き残ることは出来ないですよね。なぜ働くかってことでもあると思うんですけど、人の役に立つ努力を怠らない、それが自己実現につながるし、やりがいだと思うんです。自分の中のベストを尽くせていないと悔いが残りますから。苦しいけどどれだけそこから抜きん出るかということをいつも思っています。さっきも言った通り、この業界は拡大の一途です。その中でどれだけ自分たちが出来るのかということも、この業界が今よりもさらに市民権を得たときに、様々なアイディアが出て社会が変わっていくのは本当に楽しみですね。あとはそれを地元の弟子屈で出来ているというのがとても嬉しいです。家族もいるし、ドローンを飛ばそうと思えばとても飛ばしやすい環境だし(笑)これからもこの土地で出来ることを精一杯やっていきたいと思っています。

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株式会社AIR STAGE

・本社

北海道川上郡弟子屈町泉2-9-1(展示はありませんカウンター受取購入可)

TEL:050-5534-5062

受付:10:00〜16:00

土日定休

・帯広EXPERIENCE SHOP(2017年1月17日OPEN)

北海道帯広市西5条南 13 丁目 1 番地

営業時間:10:00~18:00

日・月定休

・道央営業所 夕張郡長沼町西8線南4号
・大阪事務所 大阪市中央区瓦町4町目3-14 御堂アーバンライフ1004

公式HPはコチラ

Facebookページはコチラ

 

久保 直人(くぼ なおと)

1976年北海道弟子屈町生まれ。弟子屈高校を卒業後、静岡県浜松市へ。その後、作業療法士を志し、作業療法士として活躍後、在職中に始めたラジコンヘリの代理店業務から2006年に株式会社AIR STAGEを設立。中国深センに本拠地を置くDJI社の正規代理店として、国内屈指の企業。2017年1月17日には国内初となるEXPERIENCE SHOPを北海道帯広市にOPEN予定。

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