HUMAN

2016.10.06

道東地方創生のキーマン!西野寛明


北海道北見市出身で東京からの証券会社に在籍時に地元へのUターンを決意し、帰郷。Uターン後は株式会社 Rogical(以下、ロジカル)を設立。地域振興や、企業へのコンサル業、北見名物の焼肉PRのためのアイコン、ヤキニキストとその活躍は多岐に渡る。MAGAZINE 1988連載コラム『あーくんの若者でもわかる経営学』でもおなじみ!道東地方、地方創生のキーマンとなる西野さんに話を聞きました。

img_7937

——まずは簡単な経歴を教えていただけますか

中学一年まで北見で過ごし、その後転勤族だったため、帯広に引っ越し帯広柏葉高校を卒業後、現・首都大学東京に進学しました。卒業後は株式会社SBI証券に就職し、在籍中にSBI大学院にてMBAを取得しました。その後、2012年に北見にUターンし、その後にロジカルを設立しました。

——東京にいた頃のお話を聞かせていただけますか

証券マン時代は主に投資家に対して深い知識を身につけてもらって、自発的に取引が生まれるような教育をする担当をしていました。ただ証券会社の特性上、企業の利益を追求するあまり、本当の意味で顧客や社会のためになっているかという点で疑問や絶望が多くありました。そんな中、社内で学校法人を設立し、勉強させてもらえる機会に恵まれたため、SBI大学院に入学しました。当時は6時に電車に乗って出社し、深夜に家に着く生活をしていて、その後に勉強をするという生活を送っていました。周りにはとても優秀な人が溢れていて、競合もひしめき合っている。どこに伸び代があるのかってくらいの部分でしのぎを削り合って、消耗している。そんな東京の労働環境にも疑問を持って、Uターンを決意しました。

——北見に戻ってきてからはどんなことをされていましたか

まずは北見の現状を把握しないといけないので、オホーツク塩焼きそば応塩隊やまちづくり北見に在籍して情報収集と人脈作りに務め、そののちにロジカルを設立しました。

img_9163

株式会社グリーンズの『たまコロ』等、企業や商品のブランディングを企画する。

——ロジカルとはどんな会社なのでしょうか

東京のレベル感を持ちつつ、地方から世界を狙えるビジネスを創造出来るような価値観を育みたいと思い設立した会社です。世界基準のビジネスが生まれるためには地域の産業基盤を強化しないと戦えないと思っていて、これはよく話すことなんですが、地域には何層かのレイヤーみたいなものがあると思っているんです。ベースにまちづくりというものがあって、その上に企業、その上に人材、最上部にコンテンツ。このレイヤーで言うところの行政に対しては都市再生や委員会でのお手伝い。去年だと地方版総合戦略策定や今年は行財政改革推進委員などに抜擢していただき計画作りをサポートしました。企業だと株式会社グリーンズ北見様のコンサル業務。人材育成として、コワーキングスペースの運営やテレワークなどの事業補助も行っています。各セクションに向けて、自分や会社が出来ることはなんでもやっているというのが現状です。

%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-1 img_9601

ロジカルが運営するコワーキングスペースTAYUMANU

——そういった側面とまた別にヤキニキストと名乗り北見市の焼肉普及の活動もされていますが、それらはどういったことをされているのですか

北見の焼肉は日常にとても馴染んでいるのに、地域資源として有効活用できていないと感じ、その部分をもっと強化するために自らヤキニキストというアイコンとして活動することでこの文化は特別なんだという認識が根付いてくれればなと思っています。

観光資源に弱い北見ですが周辺の観光地にアクセスしやすく、ホテルもたくさんあるという土壌を生かして、この辺りに観光に来ることがあれば北見に焼肉を食べに行かなきゃというイメージを作っていきたい。その甲斐あってか、メディアの取材や、 『おにぎりあたためますか』への出演、じゃらんの特集への露出。ミートクーポンや焼肉パンフレットが出来たり。お土産として株式会社清月様より焼肉クッキーが出来たりと、いい感じになりつつある。実際の店舗と行政の政策を繋ぐパイプ役としてヤキニキストというアイコンは重要だと思っています。あとは人一倍食べてますね(笑)お昼休みなんかでも炭を起こして食べれるくらい日常に溶け込んでるものだと体現できてると思います。外食するより早いんですよ(笑)

img_8648

ある日の昼休みの一コマ。本人曰く、「準備から片付けを含めても外食に行くより早い」とのこと。

img_8404

ヤキニキストとして、商品化した焼肉弁当。手軽に北見焼肉を楽しんでもらえるため、市外からの来客等に重宝される。

——実際にUターンをされてから今までで辛かったことや悔しかったことはありましたか

ビジネススキルは東京時代にしこたま積んだつもりではいましたが、実際にそれを自分の地元でどう活かせるのかは最初はわからなく、不安でしたね。地域課題を解決していくことが自分の生業に出来るのかわからなかった。とある組織に自分が必要だと思い提案したことがけちょんけちょんに全否定されたことがあって(笑)提案の中身云々という前に、そもそも課題自体を解決したいと思っていないところで先方とギャップが生じてしまいました。確かに最初なんか何も実績やお互いの信頼が無い中で怪しいでしょ(笑)あなたの組織を良くする提案ですと言ったところで。それが伝わらなかったのは当時の自分の至らなさだし、その時の実力だったととても悔しい思いをしました。自分に実績があれば、と。ただそこから少しずついろんな方の協力を経て、お仕事させてもらいました。今はたくさんの人が応援してくれたり、自分を頼ってくれたりしています。それが本当に嬉しいし、励みになっています。

img_7947

——今後はどういったことをしていきたいですか

ロジカルの理念でもあるビジネス感覚や仕事、企業のレベル感を都会や世界の基準に引き上げ、仲間たちとそれらの市場に向けて何かを生み出していきたいですね。でも生活しているのは自然や豊かな環境を持った田舎であるということ。すり減らしながら仕事をし、消耗しながら生活していくのではなく、もっと自分らしい生活をしながら自分が解決しなきゃいけないという使命を持って仕事をしていくということだと思うんです。スーツを着て、何時間も電車に揺られて、プライベートもなくひたすら消耗している人から見れば羨ましいと思います(笑)自宅から自転車で2分くらいの場所にオフィスがあって、昼休みに焼肉を食べたり。仕事が終われば歩いて飲みに行って歩いて家に帰れる。休みになれば近郊へキャンプに出かけて。こんな豊かな生活をしつつ、でも仕事上は首都圏の企業と一緒に取り組める。これは本当に贅沢なことです。そういった価値観を生かしつつ、この地域が世界に向けたビジネスを創造出来るよう、自分が出来ることはなんでもやろうと思っています。

img_8039

——同じように地元に帰ってきたいと思っている人に伝えたいことはありますか

信じたことが現実になると思うから、信じてやること。何かしらの志を持って帰って来る人が多いと思うけど、その志こそが唯一の武器になる。僕もそうだったけど、時間もかかるかもしれないし、大変なことも多いかもしれない。でも信じて続ければきっと思った通りになると思う。だから迷わず帰っておいでと言いたいですね。家族もいるし、キツい時に助けてくれる人もたくさんいるから安心して大丈夫。それはやっぱり地元だからこそなんです。

西野 寛明(にしの ひろあき)

 1983年北海道北見市生まれ。株式会社ロジカル代表取締役。北海道帯広柏葉高校→ 東京都立科学技術大学(現・首都大学東京)→ SBI大学院大学卒。大学卒業後は株式会社SBI証券に入社。平成24年に北見に帰郷後、株式会社Rogicalを設立。平成27年に北見市総合戦略策定委員会委員、平成28年には北見市行財政改革推進委員会委員を歴任する。また一方ではヤキニキストの愛称で自他共に認める焼肉振興キャラとして、北見市の焼肉普及活動も行う。

  • BASE
  • twitter
  • instagram
  • facebook
北見市 ホームページ制作 株式会社REAS WEB CONSULTING