HUMAN

2016.04.11

武田 真則


2015年11月で7周年を迎えた『LONG SIDE』。高校卒業後に京都の大学に進学、就職を経て帰郷後すぐに『LONG SIDE』を開店した。当時若干23歳。今では想像もつかないような苦労や心境について語ってくれました。

使用4

開店三日目にしてお客さんが来ない、どん底からのスタートでした。

——京都でのサラリーマン時代を経て、地元で飲食店を始めようと思った、あるいは興味を持ったきっかけはなんだったんですか?

京都での大学時代に行った『Au-gogo』というお店が当時の自分にはとても刺激的で。雰囲気もお店の人も来ているお客さんもみんな格好よかったんです。給料もいらないから働かせてくださいと言っていたくらいでした。そのあと縁あって在学中はそのお店でアルバイトをさせてもらうことが出来ました。様々な経験が出来て、そこで学んだことはそれ以降の自分にとってとても大きなものになりましたが、当時はまだ本気で自分でお店をやろうとは考えていませんでしたし、話半分で「自分もこんなお店やりたいな」とポロっと口にした時にはマスターにすごく怒られました。その後、普通に就活して京都で働き始めてから1年くらい経った時、お客さんとして『Au-gogo』に行ったんです。当時の悩みをマスターに聞いてもらって、お店をやりたいという決意を話すとその時にはすごく喜んでくれました。

——そのまま京都で開業するという選択肢もあったと思いますが、どうして帰郷することにしたんですか。

『Au-gogo』のマスターがお店を始めるために東京から地元の京都へ戻った話を聞いていたので、自分も同じように帰郷してお店をやりたいと思っていました。あとは地元に帰れば友達や先輩、何かしらの繋がりでやっていけるものだと、その時は浅はかに考えていました(笑)その後すぐにその考えは改めさせられましたが・・・(笑)

使用5

開店当初の様子。現在の雰囲気からは想像もできないスタートだった。

使用

悔しい思いをして、真面目にコツコツと頑張っていこうと思いました。

——開店当時はどんな様子だったんですか。

普通、飲食店ってオープンした月の売り上げを越えられないって言われてたりするんですけど、僕の場合は1日目、2日目と友達がお祝いで来てくれたんです。そして3日目にして1人もお客さんが来なかったんです(笑)軽く考えてた自分でしたが、いきなり現実を突きつけられました。広告を出したり、宣伝をするわけじゃなかったのでそこから1年は本当に辛かったです。収入も安定しなかったので、実家の仕事を朝から手伝って夕方からお店を開ける。朝の4時まで営業して、数時間寝てまた仕事に行くという生活を続けていました。お店で寝てしまって、知り合いが来た時に起こされたこともありました。23歳の若造がやっていたこともあって同業の方からも1年もたないとか言われたり、1人でお店に立ってるところにメニュー全部作れとか嫌がらせも受けて、本当に悔しい思いも苦しい思いもしました。最初は甘く考えていましたが、そこから気持ちを入れ替えて真面目にコツコツと現実を見据えて頑張っていこうと決めました。そして力の限り働こうと。

使用2

——以前ブログで「とにかく働こう」と仰っていた記事が印象的でした。これからこの職業を志す方にはどんなことを伝えたいですか?

水商売は世間一般からはよく思われないことが多い職業かもしれないけど、どこに出ても恥ずかしくないくらい真面目に働いていれば、胸張って水商売をやってますと言えると思っています。いつもスタッフともそれをモチベーションに頑張っています。お客様が楽しい時間になるかどうかは、自分次第。究極の接客業だと思っています。お店を始めるなら、始めるのは簡単だけど、続けていける方法を考えて挑戦し続けて欲しい!開店した時の夢に貪欲にしがみついて努力することが大事だと思っています。

ラファ

とにかくガムシャラに働く。その先にしか理想はないと思います。

——この仕事をしていてやりがいを感じるのはどんな時ですか。

やっぱり人の繋がりです。1年目にこの仕事の難しさを知った時から本当に少しずつ色んな人と繋がって今があると思っています。いまだに開店当初から来てくれるお客様もいるし、そういうことの積み重ねだと思います。中心地からは遠いし、中が見えないだけに入りにくいから初めて来てくれるお客様はきっと勇気を振り絞ってお店に来てくれると思うんです。これだけ沢山あるお店の中からわざわざここを選んでいただくことはとても嬉しいことです。そうやって来てくれたお客様により楽しんでいただけるようにといつも心がけています。

——お客様としての出会いからプライベートでも遊ぶようになるっていうパターンも多いそうですね。話題も人によって様々で武田さんの趣味の広さも伺えます。

僕自身が色々なアクティビティが好きっていうのもあるし、イベントもやっていたりするので、お店以外でもそういうところで繋がれたり遊べたり出来てすごく楽しいです。ありがたいことにお客様の大部分は僕より年上の方ばかりでいつもお客様とのお話の中で沢山勉強させていただいて、仕事のヒントもいただいています。あとは毎年、周年を迎えた時は感慨深いです。最初の頃の苦労だとか1年もたないと言われたこととか信頼していたスタッフに裏切られた時とかピンチの場面は今まで沢山ありましたし、これからもそうだと思います。それでも苦難を乗り越えてまた1年続けてこれたんだと思うと本当にお客様とスタッフに感謝しかありません。こうやって支えてくれる方々を裏切らないためにこの場所はこの先何年もずっと残していかなきゃいけないと思っています。

ゆうきくん

——今後についてはどういったことを思い描いていますか。

先ほどのことと重複するんですが、真面目にコツコツ積み上げることでLONG SIDEをどこに出しても恥ずかしくない場所にすることです。お店や会社単位が各々一つ一つ屈強になっていけばそこに仕事や雇用がちゃんと生まれますよね。未来ある若者を放出しなくて済むかもしれないし、優秀な人材が来てくれるかもしれません。そうしたら結果としてこの地域にも貢献できると思うんです。僕には一緒に仕事をしてみたい仲間や友達が沢山います。ただ今の状況じゃここに巻き込むことって出来ないです。だからこの先受け皿としてきちんと成立させるために一つ一つ目の前の仕事をこなして、とにかく働く。そして自分の理想に現実的に近づいていくことしかないと思っています。

武田 真則(たけだ まさのり)
LONG SIDE代表。1985年生まれ、訓子府町出身。高校卒業後、進学・就職のため京都で過ごす。地元での開業を決意し、帰郷。23歳の時にOPENした『LONG SIDE』が今年で7周年を迎えた。 MAGAZINE 1988 VOL.7掲載
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