HUMAN

2016.04.11

荒木 貴之


2007年のOPEN後、洋服・バンド・スケートボード・車・BMX・バイク等々、自身のルーツとなったカリフォルニアのカルチャーを発信し続ける同氏。好きなことで生きるためには?そのための選択や心構え。シンプルでありながらとても難しい問いに同氏が応えてくれた。

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——こういうお店を始められたきっかけはなんだったんですか?

バンドやスケートボード、BMX、車とかがずっと好きで。 ずっとアメリカに住んでみたいなってのがあって、3ヶ月だけ行ってみた。そしたらアメリカには自分の好きなものが本当に溢れてて。最初はアメリカで買い付けてきたものを売ってた古着屋だったんだけど、途中から自分の好きだったスケートとかそういう要素を取り入れていったってカンジかな。

プロフ

何歳になっても辞めなきゃいけない理由なんてない

——仕事も日常も好きなものに囲まれて過ごされているのかなと思います。実際はどうですか?
すごい楽しいよ。正直辛いこともあるけど(笑)カリフォルニアが好きですべてがそうゆうカルチャーにリンクするようにって意識はしてるかな。俺は楽観的だからいろいろあるけど今の生活がすごく充実してる。やっぱり自分の好きなことをやめられないんだよね。俺は自分の中で絶対これになるって理想があって、それに向かって走るしかない。好きなことばかりやっててお店をはじめたスタートは遅かったけど、何歳になっても辞めなくちゃいけない理由なんて何一つない。だからこれからもどんどんもっともっとやろうと思ってるよ。

——僕はかっこいいの尺度の一つに「一貫性」っていうのがあって、ライフスタイルすべてに辻褄があってどこをとっても一貫性があるっていうことがすごくかっこいいなと思ってて。それってジャンルを問わないんですよね。その人から滲み出てるような気がするし。荒木さんもそうゆう意味ではすごく一貫性のある生き方をされてるなと思います。
自分にとって楽しい人生に行くかそうでないかっていったらやっぱり楽しい人生に向かって行きたいしね。好きにやってると賛同してくれる仲間もいるけど、もちろん気にくわないって人も出てくる。だけど、そういうことにはあまり興味がなくて、そんな人たちのことを考えるなら自分自身や協力してくれる人のことを考えていたい。その方がずっとシンプルだし、ノイズがなくていい方向にいけるんだ。だから俺の周りには嫌いな人がいないんだよね。寄ってこない(笑)みんな夢があってアツい。悪口言うヤツやネガティブなこと言うヤツとは仕事したくないし、つるみたくないね。

——そこまで割り切った人間関係が出来る人もなかなかいないですよね。みんななんとなく、しょうがなく、それならまだいいけど、中には嫌嫌付き合ってる人も周りにいると思うし。だけどそうやってポジティブな人間関係が築ければ、余計なパワーを使わず、切磋琢磨出来そうですね。
「毎日くだらない」とか「死にたいです」ってたまにいってくる人もいる。そんなの自分で行動してどうにかしようよって思う。自分の人生だし、周りはどうにかしてくれないよと。それなら自分を高めてくれそうな人たちと付き合った方がずっといいよね。そうやってどんどん先に進んでいってる年上の人とかを見るとそう思う。

Tシャツ

一人一人頑張っていれば絶対その先でいつかまた会える。

——これからやりたいことってどういうことですか?
今自分のブランド『MY RULES THE ARK』っていうのを作っているんだけど、これをアメリカにも持っていけるようになりたい。例えば芸能人とかがやれば容易に出来ることかもしれないけど、一般人だとなかなか出来るようなことじゃないから。東京持って行ってもアメリカ持って行っても恥ずかしくないもの。自分が憧れたアメリカにでもこっち発信で通用するものを作りたいなと思ってる。今ってとんでもない一大ブームってなかなか生まれない。昔の裏原ブームとかバンドブームとかみたいな。その分多種多様ないろんなカルチャーが生まれてるよね。本当に動きが早い。だからこそ動き続けなきゃどんどん廃れていってしまうんだ。誰の力を借りるでもない、自分自身が動かなきゃ誰も動かないから。

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——荒木さんは後人の育成にも熱心だと聞きます。例えば若いスケーターとかにもスポンサーとして自社のブランドの服を着せたり。
何かになりたいって明確に思ってる中学生、高校生ってなかなかいないから。そういう子がいたらどんどん俺が持ってる知識を教えてあげたいなって思ってる。カルチャーってそうやって受け継がれていくと思うし。キチンと見せてあげないとなかなか伝わらない。何かを続けて行く中で、苦しいこととか辛いことって必ずあるけど、その向こう側に楽しさがあるわけで。でもその先がわからないから、その先にある楽しみを知らないから辞めてしまったりする。それってすごくもったいないことだと思うから、その先が楽しいってちゃんと伝えてあげるのが仕事だと思ってるんだ。

——こんな近くにも自分の好きな生き方をしてる人っているんだって知るときっとすごく刺激的ですし、考え方も変わってきますよね。東京の誰々が〜ってこの辺の若い人にとってはリアルなことじゃないし、むしろそういうことって否定されがちじゃないですか。夢見るなと(笑)
やってみたいことがあるやつはやってみればいい。俺自身まだまだ中途半端だし、これからどんどん目指したいことがある。「あの人って自分の好きなように服売って生きてるけど、ずっと貧乏だよね」ってなったら、あまり憧れにはならないよね。夢を見せてあげられるように、俺自身もまだまだ上がっていかなきゃなんない。

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——具体的に近くで仕掛けていきたいことはありますか。

シルクスクリーンが昔からすごい好きでずっとやっていた。バンドのTシャツ作ったり、自分でデザインしたTシャツ作ったり。今年中に、何百万もするんだけど今よりもっといい機械を入れて、シルクスクリーンをのばしていきたい。本当はデザインだけしてとか生地だけ選んでとか外注で済ませてしまった方がいいのかもしれないけど、その行程も全部自分でやりたいんだよね。やりたいし、好きなんだ。変人なんだよ(笑)だけど、そうやって出来た商品を着てくれている人を見ると本当に嬉しいよね。だから今まで以上に力を入れてシルクスクリーンについてもやっていきたい。
——これまでどういうことを心がけて続けてこれましたか?

どんどん仕掛けていくこと。俺なんかで言えば、例えば「アメリカとか行ってすごいね」とかいわれるけど、「アメリカなんて金あったら誰でもいけるから!」って。でもその一歩がなかなかみんな踏み出せないんだよ。だからどんどんやっちゃえばいいんだよ。好きなことだからそれに対して調べまくるしょ、だから努力していいものを作り上げる。目立つ自分だけの武器が発見できれば今の時代はきっと、どーんといくと思ってる。別に家でビール飲んで今日も疲れたなーって寝るだけが人生じゃなくてさ。それができればもっと色んなことが覚醒すると思うんだよね。街も絶対に良くなるし。俺もまだまだ全然だから、もっといいものを提供できたりいい影響を与えられるようにならなくてはと思ってる。もっとヤバいやつになってやろうって思うから。たいした人生じゃないけど、だけどそういうのでもいいかなって。好きなことたくさんやってきたしね。楽しんで生きてきたよ。だから昔がよかったとか思わない。今が楽しいし。これからも絶対楽しくなると思うし。みんな動こう。ひとりひとり頑張っていればきっとどこか先で絶対に会うから。

横

荒木 貴之(あらき たかゆき)a.k.a.あらーきー☆

1977年生まれ、北見市出身。2007年、北見市に『Sister Antiques』としてOPEN。2012年に美幌に店舗を移転し、現在に至る。カリフォルニアカルチャーをルーツとしたスケート、洋服を中心に取り扱っている。自身のオリジナルブランド『MY RULE THE ARK』の商品展開も積極的に行っている。

SISTER WEB: sister-ark.com

MY RULE THE ARK WEB : sisterark.buyshop.jp

MAGAZINE 1988 VOL.5掲載

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