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2016.04.10

MOVIE REVIEW


第六回 2015年おれベスト5

第1位 マッドマックス怒りのデスロード(2015)

まっど
監督:ジョージ・ミラー
出演 :トム・ハーディ 他

〜映画史に残る最狂カルトアトラクションムービーの誕生!〜

 まず、この作品をリアルタイムで劇場鑑賞できたことを本当に嬉しく思います。同じ時代に生きてて良かった!映画史上類を見ないほど”ライド”する感覚を味わえる素晴らしき映画体験でしたよ!「マッドマックス/サンダードーム」から30年という月日を経て、ジョージ・ミラー監督が何度も挫折を繰り返しながらも、長い歳月をかけてストイックにブラッシュアップを重ね、徹底したディテールの作り込みと見事な”アゲ”演出で、とんでもなく高度なお祭り映画に仕上げてくれましたよ!お爺ちゃんありがとう!本作の最狂キャラ、イモータン・ジョーの出で立ちがもうサイコーイカしてて崇拝せずにはいられなったです。イモータ〜〜ン!そしてイモータン様a.k.aロックスターを崇めるウォーボーイズの面々も最高に萌え要素たっぷりなとっても良い奴らでした。V8!よく死んだっ!他にも色々凄くて、物語内に登場するサグな改造車たちが超カッコ良かったり、ギターからファイヤーしたり、デッカイおっさんがずっと乳首イジりながら追い掛けてきてたり、いちいち最高。細部まで作り込まれた物語世界とその背景をしっかり把握する為には何度も何度も見る必要があります。なのでDVDorブルーレイを購入し毎日鑑賞しなければなりません。これ来年から義務化されるそうですね。はい、とゆうことで今年余裕のブッッッチギリナンバー1です!

第2位 フォックスキャッチャー(2015年)

フォックス
監督:ベネット・ミラー
出演 :スティーヴ・カレル チャニング・テイタム 他

〜コメディ俳優スティーブ・カレルが魅せる静かな狂気〜

 あのロックフェラー財閥と並び、アメリカの大金持ちファミリーとして知られるデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが起こした殺人事件を映画化した実録ドラマ。コメディ畑で長年に渡り活躍してきたスティーブ・カレルが、今までのキャリアを全て嘘にしてしまうほどの、静かなる狂気に満ちた演技を魅せてくれている。また、最低限の台詞と音楽で構成された作りが、その異様な空気漂う物語世界内により一層の緊張感を生んでいる。ジョン・デュポンが結成したレスリングチームに引き抜かれた、五輪メダリスト兄弟役を演じたマーク・ラファロとチャニング・テイタムも見事なまでの実在感が素晴らしい。本物のレスリング選手となんら変わらないファイトスタイルを披露し、その説得力は尋常じゃない。ここまでリアリティーを追求した演技を見れることはそう多くない。間違いなく今年を代表する作品である。

第3位 シェフ三ツ星フードトラック始めました(2015年)

シェフ
監督:ジョン・ファブロー
出演 :ジョン・ファブロー ソフィア・ベルガラ 他

〜ヒップホップ好きがアガれるセンス抜群な劇中音楽の数々!〜

 タイトルを見ての通り、ストーリー自体ヒップホップとか全然関係ない話しです。シェフの話しです。しかしながら、劇中で流れる多くの音楽に、ヒップホップの元ネタ使いな曲が使用されているんです。完全に確信犯すね。この作品からはヒップホップへの愛を感じずにはいられないのです!監督兼主演のジョン・ファヴロー(アイアンマンの監督としても超有名)がNYのクイーンズで生まれ育ったことを考えると、彼の音楽的バックボーンは容易に想像できるんですね。NASとか好きなはず。絶対良いやつだ!ヒップホップヒップホップ騒いでますが、別に音楽だけとってこの順位にしたわけじゃなくてですね。まぁシェフが主人公なので、なんせ旨そうな料理が出るわ出るわ。しかも超旨そ過ぎて腹減るレベル。中でもキューバサンドイッチは最強。腹減る。ジョン・ファヴロー監督の実人生を投影したであろうストーリーにはグッときたし、良い音楽に旨そなメシ。そりゃあ最高だろーよ!あ、あとジョン・レグイザモがジョン・レグイザモらしい仕事してて、ちゃんとおれたちのジョン・レグイザモでした。

第4位 海にかかる霧(2015年)

海に
監督:シム・ソンボ
出演 :キム・ユンソク パク・ユチョン 他

〜日本映画の一歩先を行く恐るべき韓国映画〜

 韓国映画界の至宝ポン・ジュノが脚本と製作に関わっている、と知ってしまった以上見ないわけにはいかない。そのぐらいポン・ジュノ作品にはヤラレていたし。本作の内容については薄っすらググる程度であまり予備知識を入れずに見ました。それがまた良かった。実話ベースである本作が、物語中盤で突如として迎える衝撃の展開に、「…アレ??そーゆー話しだったの!?」と思わず引いてしまうぐらいの嫌悪感。エグい。しかしそこからがもう首根っこ掴まれた状態でグイグイ持ってかれるし、ここぞというシーンの見せ方がほんとスゲーうまいんすよ。いつもヤバイ役ばっかやってるキム・ユンソクのサイコっぷりも安定の怖さ!実際に起こった悍ましい事件を元にして作られた映画なので「面白い」という表現は不謹慎なのかもしれないが、やはり面白いもんは面白い!悔しいけど今の日本映画にはない圧倒的なクオリティの高さが韓国映画にはある。

第5位 ゼロの未来(2015年)

ぜろの
監督:テリー・ギリアム
出演 :クリストフ・ワルツ デビッド・シューリス 他

〜斜め上を行き過ぎる鬼才テリー・ギリアム監督の近未来SF〜

ちょっとぐらい映画通ぶりたいんでこーゆーのも入れときます。1985年公開のSFカルト映画「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアム監督が新たに生み出したディストピアSFの傑作。…とか言いつつその「未来世紀ブラジル」はなんだか小難しそうでいまだに見たことがないんです。そんぐらいのもんなんです僕なんかは。しかしながらこの「ゼロの未来」そんな映画通ぶってるだけの僕なんかが見ても単純に良いなー、て思いました。外連味溢れる未来描写がとってもフレッシュだったし、メタファーだらけのクソ難解な台詞の数々もなんだか不思議と楽しめました。素敵なビヤッチも登場するんでそこだけでも見る価値ALI。調べてみるとゼロもブラジルもかなり似たテイストのストーリーらしいっすね。所詮映画なんてもんは、それにハマるかハマらないか紙一重みたいなもんなんですな。

ALI
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ALIの映画駄話ティティツイスターで会いましょう。

ALI

北見市4条狸小路にあるクラブUNDERSTANDにて10年以上に渡りDJとして活動する傍ら,自他ともに認める映画馬鹿でもある。奇数月第2土曜日に開催されているパーティー、『SOUL TRAVEL』にてレギュラーDJとして活動中。ALIがテーマに沿ってピックアップした5本を紹介!

※MAGAZINE 1988 vol.7掲載

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