ブルーバレンタイン(2010年)

監督:デレク・シアンフランス
出演 :ライアン・ゴズリング　ミシェル・ウィリアムズ　他

〜トラウマ恋愛映画の金字塔！〜

倦怠期を迎えた夫婦が離婚の決断をするまでの過程を凄惨かつフレッシュに描いたデレク・シアンフランスの長編映画2作目にして最高傑作。幸せだった過去と不幸な現在。愛が生まれたあの瞬間と愛が枯れ果てていく今この時を痛々しくもエモーショナルに平行して映し出していく。監督の度を越したリアリズム演出で作られた夫婦関係の修復不可能っぷりが恐ろしく生々しい！倦怠期を通過した誰もが目を背けたくなるような痛々しさ500%の描写の数々。実人生とダブらせてみてたりすると色々身につまされすぎてちょっと死にたくなります。タイタニックコンビ主演の『レボリューショナリー・ロード』と並び夫婦倦怠期モノの中ではダントツの破壊力！まさに暗黒クラシック！これは恋愛映画という名の皮を被ったホラー映画である！夫婦とかカップルで見たら絶対気まずくなるので見ちゃ駄目です。デレク・シアンフランス監督ほんと最高に嫌な映画作ったね。(褒めてる)

ローン・サバイバー（2013年）

監督:ピーター・バーグ
出演 :マーク・ウォールバーグ　テイラー・キッチュ　他

〜映画史に残る痛覚刺激的岩山転落描写〜

US最強マッチョイズム軍団ネイビーシールズが映画史上類を見ないほどに叩きのめされるノンフィクション戦争映画。あるひとつの決断をした事が仇となり極限状態へと追い詰めらていく4人の兵士。敵兵から逃げる為ゴツゴツとした岩肌に叩きつけられながらひたすらに転げ落ちる様はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。映像だけでなく「音」による痛覚刺激が凄まじい。そこらのスプラッターモノとは別モンな身体的痛さを疑似体験することが出来る。マゾヒストの方々には最良の作品かと。僕は痛いの嫌い。

おとなのけんか（2011年）

監督:ロマン・ポランスキー
出演 :ジョディ・フォスター　クリストフ・ヴァルツ　他

〜イタイおとな達が繰り広げる不毛な議論〜

劇作家ヤスミナ・レザの人気舞台劇を名匠ロマン・ポランスキーが映画化したワンシチュエーションコメディーの傑作。上映時間はなんと79分。ダラダラと無駄に長すぎる映画が蔓延るこのご時勢。このぐらいの尺でサクサクやってくれるほうが好感持てます。子供同士のケンカを巡って良識あるふうな2組の夫婦がおとなげない口論の末に罵詈雑言を浴びせ合う…という最低な滑稽さが愉快極まりない。勢い良くゲロを吐くケイト・ウィンスレットとクリストフ・ヴァルツの糞野郎っぷりが大変素晴らしい映画です。

恋の渦（2013年）

監督:大根仁
出演 :新倉健太　若井尚子　他

〜EXILE聴きながらドンキホーテへ向かう人達の生態〜

あの「モテキ」の大根仁監督が《制作費10万円》《撮影期間4日間》という大学の映研部みたいなノリで作ったインディーズ映画。DQNな若者たちが織り成すゲスで糞なイタイ青春群像劇。こーゆークズなオトコよくいるわ〜感と、こーゆービッチ知り合いにいるわ〜感満載です。これだけ徹底して糞な奴らを糞な奴らとして描き切った作品は未だかつてないんじゃないですかね。しかし内容のしょーもなさとは裏腹に監督の恐ろしいほどの人間観察力と演出力が素晴らしく無名な役者陣の実在感も半端ない。テラスハウスを50倍下品にしたような作品なのでたぶんみんな好きだと思います。

ヤングガン（1988年）

監督:クリストファー・ケイン
出演 :エミリオ・エステベス　キーファー・サザーランド　他

〜80年代ヤングスターたちの卒業アルバム的イタイ西部劇〜

アメリカ西部開拓時代のアウトロー「ビリー・ザ・キッド」とその仲間たちを題材にした西部劇映画。かなりな脚色はあるにせよある程度史実に基づき作られたと思われる本作。驚くことに伝説のガンマンとして知られる英雄ビリー・ザ・キッドがほぼ快楽殺人者として描かれている。エミリオ・エステベスの怪演も光りとっても素敵なサイコキラーである。正直言って本作の見所はこの一点に集約されている。80年代作品の専売特許でもあるご都合主義な展開の数々は気にしたら負け。物語中盤突如ぶっこまれる謎すぎなヤングガンズのバッドトリップシーンは秀悦。