SERIES

2016.04.10

MOVIE REVIEW


第三回 今月のオススメ

ALI
S__28999693

スリーメン&ベビー
(1987年)
511SMETQA2L
監督:レナード・ニモイ
出演 :トム・セレック スティーヴ・グッテンバーグ 他

80’S アメリカンポップカルチャーが放つ煌びやかな輝きと、カラフルでファッショナブルな洋服や音楽たちが全面に押し出された1987年公開のコメディ映画。
ものすごく雑にストーリーを説明しますと。
いい年こいたオッサン3人組がルームシェアをしてまして、自由気ままな生活を送ってるんですね〜。そこに赤ん坊が強制的に預けられるんですね〜。まともに育てられるわけもない3人は、赤ん坊に振り回されてもうウンザリゲンナリするんですね〜。そんなある日、実の母親が赤ん坊を引き取りにくるんですね〜。赤ん坊捨てといてやっぱ返してとか身勝手極まりないですね〜。母親失格ですね〜。とんだマザーファッカーですね〜。いや、ファッキンマザーですね〜。
やっと子育てから解放された3人ではありましたが、赤ん坊がいなかったらいなかったで、「やっぱ寂しいから行かないでーー!」「もうその子ナシの生活なんて考えられへん!」
ってな具合で赤ん坊バッカゲーン!
というベタ & betterなストーリー展開でラストにホロリとさせてくれるハートフルコメディなんですね〜。
かわいいんですね〜、おもしろいんですね〜、泣けるんですね〜(like a 日曜洋画劇場)
はい。そんな淀川長治先生のように、ぼくはこの作品をピュアな気持ちで長年愛してきました。ほぼリアルタイムでこの作品をみていたと思うんだけど、当時ぼくはまだ小学生。漠然と子育てが大変だということぐらいはわかっていても、本当の意味での大変さなど知る由もなかったわけです。
いま現在、ぼくには生まれたばかりの子供がいます。まだ本当に小さな小さな赤ん坊です。子育て初心者真っ只中なのであります。自分の無力さを痛感しながら、やはり母親の偉大さってやつを思い知らされる毎日なのであります。そう!まさにいまぼくは、このスリーメン&ベビーの世界の中にいるんです。逆リアルタイム感が半端ないんです。素晴らしき映画体験。素晴らしき人生経験。
あ、ちなみにこのスリーメン&ベビーは、昔NHKで放送していたファミリードラマ「フルハウス」の原案でもあるんですね。どちらの作品も赤ん坊の役を双子の姉妹が演じていたってことでも有名ですよね。
はい。てことで最後に、ぼくはこの物語のスリーメ〜ンから子育てに関して、一つだけ見習うことにしたいと思います。

子守唄は”50年代のドゥーワップ”で。

12261_001

img_2

img_0

スリーメン&ベビー

ISSEI
1536451_10200992366917434_262787338_n

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
(2014年)

166403_01
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演 :マイケル・キートン ザック・ガリフィナーキス 他

映画「バットマン」(1989年)は公開当時、絶大なる人気を博していた。そして20年後には「ダークナイト」(2008年)等でリメイクされ、再びシリーズは脚光を浴びた。この場合、作品自体は有名ではあるものの、出演者は影に隠れてしまっている場合がある。俳優マイケル・キートンもその一人だろう。彼は当時(89年)のバットマンの主演に抜擢され、一時脚光を浴びるもののその後キャリアには恵まれていない

 「バードマン」はまるでキートンのリアルな人生と対称をなすがごとく作られている。主人公は昔、映画「バードマン」というスーパーヒーロー作品で主演を演じたスター俳優だったが、それ以降ヒットに恵まれず、20年以上が経過していた。そして、家庭でも失敗し『かつてバードマンを演じた俳優』として惨めな生活を送っていた。落ちぶれた元スターではなく、アーティストとしての自分の存在意義を見つめるべく、無謀にもブロードウェイにチャレンジするという話だ。

 脅威の119分間一切途切れなく続く全編ノーカット撮影やほとんど即興のドラムだけの音楽等、テクニカルな面も面白いが、この男のストーリーを通して、なにかを作り続けていくことへの渇望と滑稽さ。ぜひご賞味あれ。

 注意:スーパーヒーロー映画だと思って見ると失敗しますのでご注意を(笑)

第87回(2014年)アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞 受賞

22432704_10407

tumblr_inline_nmpau1vopw1t9pazw_540

birdman_06

20150510163046

MOVIE REVIEW

映画狂のレビュアー二人により古今東西問わず独自の基準で厳選した1本の映画批評を掲載!

ALI

北見市4条狸小路にあるクラブUNDERSTANDにて10年以上に渡りDJとして活動する傍ら,自他ともに認める映画馬鹿でもある。奇数月第2土曜日に開催されているパーティー、『SOUL TRAVEL』にてレギュラーDJとして活動中。

ISSEI

1988年生まれ。映画コンシェルジュ。北見市出身、東京在住。学生時代に1,100本鑑賞し、卒論テーマは映画学。映画祭の支援、映写技師、映画ライターなどを経験。本職はITソフトウェアの法人営業

※MAGAZINE 1988 vol.4掲載

  • BASE
  • twitter
  • instagram
  • facebook
北見市 ホームページ制作 株式会社REAS WEB CONSULTING