SERIES

2016.04.09

あーくんの若者でもわかる経営学


第七回 東大とハーバードの違い

みなさんこんにちは。
前回までのテーマである、「コミュニケーション」が一服したところで、今回は番外編として、「東大とハーバードの違い」について考えてみたいと思います。
日本最高学府である東京大学は、行ける行けないは別として、皆イメージしやすいかと思います。で、世界最高学府であるハーバード大学、みんなどんなイメージを持っていますか??アメリカの大学って、入りやすいけど卒業できない、みたいなイメージがあるかと思いますが、ハーバード大学の大学の合格率は5.9%、東大の合格率34.2%とハーバード大学は超狭き門と言えます。そんな東大とハーバード大学の入学試験から、日本とアメリカの人材育成の違いについて考えてみたいと思います。まず、東大の入試は、センター試験と2次の筆記試験で決まります。で、基本的に本質的な知識と思考力を試す試験ではあるものの、基本的に試される内容は大方想定できるため、模擬試験でA判定の場合は8割がた合格と言われているようです。
一方、ハーバード大学はというと、基本的には、「自分はどういう人間であるか」を客観的な評価と自身のエッセイからPRするという内容で、基本的に東大の筆記試験のような正解がありません。
例えば、自分への客観的な評価は、これまでの定期テスト試験の点数(TOEFL等も)、学内外での受賞歴といったもので、これまでの社会からの評価が丸裸にされるというもの。しかも、受賞のスケール感によって評価が明確に分類されるため、町内会クラスの活躍なのか、グローバルクラスで活躍してきた人材なのか、という判断が客観的に下されてしまします。
このような要素は東大の選考課程では全くない話なので、当然、合格へのアプローチは全く異なるものとなってきます。
ハーバードと東大の違いはそれだけではなく、様々なテーマから自身をPRしたい項目を選び、エッセイを提出します。例えば下記のようなテーマがあるようです。
①これまでの人生における特異な出来事について
②海外旅行や海外での生活体験について
③未来のルームメイトに向けた手紙について
④自分にとって最も意味のあった知的体験について
⑤大学教育を受けるにあたって望むこと
⑥この1年間であなたが読んだ書籍について
これらのテーマで自己PRを行い、自分がいかに魅力的で有為な人材かどうかを主張するのがハーバード大学に入学する上で必用となります。
東大の試験は、過去問を分析して対策をとれば何とかなりそうであるものの、ハーバードはそもそも自分の人生、人物像そのものが選考され、過去問という概念がないため、対策の方法も非常に難しく、受験対策だけで何とかなるものではありません。
このように、東大とハーバード大学の入学試験には対極的な違いがあり、試される人物像として、東大は、知識と思考力といった処理能力が試される一方、ハーバード大学は、社会に影響をもたらすリーダーシップが問われているといえます。このような違いは、組織に基づいたイデオロギーを前提とする日本社会と、イノベーションと個人に基づいたイデオロギーを前提としたアメリカ社会の違いを如実に表しているといえるのではないでしょうか。
特に、グローバル化が進んだ現代の起業家の観点からすると、手段としての処理能力よりも、イノベーションを生み出し、社会に変革をもたらすリーダーシップこそ必用な人物像なのではないかと、筆者は感じています。
もちろん、東京大学に入学してから、リーダーとして大活躍する人材はたくさんいますが、個人のオリジナリティを社会にぶつけていく「起業家」としての観点では、手段を磨いたゴールとして大学に入るよりも、目的を達成するための手段として大学に入学することが重要ではないかと思います。
ちなみに筆者は、その違いと意義について30を過ぎてやっと理解できました…。東大やハーバードに入る人って、本当に優秀ですよね…
おわり

あーくんの若者でもわかる経営学

あーくん

西野創研・株式会社Rogical 代表
1982生まれ、北見市出身。大学卒業後、都内証券会社に勤務。在職中にMBAを取得し、2014年帰郷。(株)Rogcalを設立。現在に至る。

  • BASE
  • twitter
  • instagram
  • facebook
北見市 ホームページ制作 株式会社REAS WEB CONSULTING